SHOブログ

■『マスターボール級に上がるのは凄いことなんだぞ!』を合言葉に ポケモンプレイヤーの『普通』を配信しています。

もう『運ゲー』なんて言わせない(バタフリーの害悪講座)

 

最初に

ポケモン対戦は今までのゲームと比較をしてもかなり非常に面白いゲームであると

・育て方次第で同じポケモンなのに全然役割対象を変化させることで幅が広がり、相手の考えていることを読み、交換読み交換を決められたときはこころが踊る。

負けて悔しいという一面もあるけど、負けた原因をきちんと突き詰め反省をすることにより強くなれる実感を感じている。

ただ、そんなポケモンという世界の中で少し気になっっている部分がある。

それが『運負け』という言葉だ。

・一番大事な所でしびれて負け

・一撃必殺が一発で当たる

・トライアタックで20%の確率を引く

・眠り粉で起きない

・命中率95%の技を外す

この様な負け方をすると『運負け』と呼ばれるらしい。

もちろん、理不尽な負け方は存在するだろう。

理不尽な負けを『運負け』と定義して先に進むことは決して悪いことだとは思わない。

ただ、この『運負け』という言葉を多用してみる皆様に問いたい。

 

「それは本当に運負けなのだろうか?」

『運負け』という甘い誘惑に誘われ構築やプレングの反省を怠っては居ないだろうか…

 

”大事な所で痺れる”→そもそも痺れるまでの試行回数を稼がれては居ないか…

”眠り粉で起きない”→そもそも起きる確率など1/3なので起きる方が運がいいのではないか。

 

なので、一つ一つ『運勝ち』という言葉に関して検証をしていこうかと思う。

ただ、あくまで僕が出せるのは『確率』だったり『期待値』という所だけだ。

その確率から見て『運負け』という風に割り切るのか、構築の見直しなどで対策をしていくのかは皆様で決めてほしい。

 

今回考察するポケモン

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今回考察するポケモンバタフリーを使おうかと思う。

 

正直、『運』とかの要素を話すのであれば、

・一撃必殺

・催眠✕必殺技

・状態異常での何連続〇〇

など最初に考察すべきものは多数あると考えている。

それでも、私がバタフリーを選んだ理由ととしては、先日ランクマッチをしたいて時に戦った相手からこの様なDMが届いたからだ。

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おっしゃっていただいた方の情報を守るためにDMの文章のみを掲載している。

正直アカウント名とTNは分けていたので、このアカウントが判明するとは思っても見なかったがかなり不満を抱いたのだろう。

 

正直最長眠りをしてもらったのも最初の一回だけだったので、個人的にはそこまで運が良いとは思っていなかった。

ただ、今回のブログを書くのに良い検証材料になるかと思いバタフリーを題材として採用した。

また、僕自身一番使っているポケモンであったため、今までの使い方が正しかったのかの検証作業としても採用した。

 

バタフリーの特徴と勝利条件

 

まずは、簡単にバタフリーの戦術と勝利条件を簡単に解説をしようと思う。

そもそもバタフリー『眠り粉+身代わり』で相手のポケモンからダメージを受けないようにしつつちょうのまいで能力値を上げながら相手のポケモンにダメージを与えていくという、対策を講じていなければはめられてしまう害悪ポケモンの一匹とされている。

 

次にバタフリーの勝利条件について考えていければと思う。

バタフリーは育成方法によって異なるが、大体ちょうのまい2回行うことで、並のポケモンであれば確定3発で気絶させることができる。

上記の内容を踏まえ、今回は下記の様な条件で確率や期待値等の設定を行うことにする。

 

バタフリーの前提条件は『眠り粉を打つ』『身代わりを貼る』『ちょうのまい』だけを2回成功するまで続ける(以下行動①と定義する)

*1

②行動①を終了または2段階能力が上昇した時点で『眠り粉を打つ』『身代わりを貼る』『エアスラッシュ』の行動を行う(以下行動②と定義する)

*2

③大体のポケモンは確定3発ラインなので、行動②が3回発生した時点でポケモンが一匹気絶する

④身代わりは相手の攻撃一回で消えてなくなる

⑤3体のポケモンを倒す

バタフリーの持ち物は食べ残しで毎ターン1/16でHPを回復させることができる

バタフリーのHPは16n+1で調整をしており、食べ残しの回復込で連続5回行うことができる

上記の条件で計算を行う

 

*3

 

 

事象における確率の収集

上記条件下で期待値や確率を求めていくためにはそれぞれの項目の確率を定義しておく必要がある

そのためには起きるであろう事象の確率を各種インターネットより収集を行った。

確率計算が必要な事象①:眠り粉を当てる確率

確率計算が必要な事象②:1ターン目に起る確率(最速起き)

確率計算が必要な事象③:2ターン目に起る確率(普通起き)

確率計算が必要な事象④:3ターン目に起る確率(最長眠り)

確率計算が必要な事象⑤:エアスラッシュで怯む確率

 

事象①、事象⑤は下記URLをもとに

事象①=97.5%

事象⑤=30%

上記の計算を用いることにした。

引用①:複眼について

引用②:眠り粉について

引用③:エアスラッシュについて

 

事象②〜事象④までは、下記の動画の結果をもとに

確率計算が必要な事象②=35.70%

確率計算が必要な事象③=35.00%

確率計算が必要な事象④=29.30%

で計算をしていくものとする

www.youtube.com

 

動画を見るのが面倒な方に参考画像を。

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手順①が成功するまでの確率及び期待値を求める

上記の前提条件が揃った所で、まずは行動①の期待値と確率を算出する必要がある。

そのために必要なフェーズとして、①の行動をする際の場合分けを行った。

 

バタフリーの行う行動による場合分け】

①眠り粉が外れて負け

②眠り粉を当てて相手が最速起きをする(1ターン眠り)

③眠り粉を当てて相手が普通起きをする(2ターン眠り)

④眠り粉を当てて相手が最長眠りをする(3ターン眠り)

この4パターンに分けられる。

 

それでは、上記場合分けをされた行動がそれぞれ起きる確率を計算していく。

 

①眠り粉が外れて負け

100-(75✕1.3)=2.5%

 

②眠り粉を当てて相手が最速起きをする

97.5✕35.7=34.81%

 

③眠り粉を当てて相手が普通起きをする

97.5✕35=34.13%

 

④眠り粉を当てて相手が最長眠りをする

97.5✕29.3=28.57%

 

上記の様な結果になった。

上記の確率をもとに期待値を計算すると下記の表のようになる。

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期待値の合計は0.89になる。

上記の計算から1回眠り粉を打つと0.89回『ちょうのまい』を積むことができる。

今回の場合であれば2回『ちょうのまい』を積む必要があるので、

2/0.89=2.25回

ポケモンバトルはターン制なので小数点はすべて繰り上げる。

そのため、3回眠り粉を打つことができれば上記の条件を達成することが可能であると証明がされた。

 

つまり、相手に3回以上身代わりを残す体力を残した時点で相手に2回以上『ちょうのまい』を打たれることを覚悟しなくてはならない。

 

また食べ残しの回復量を先程の確率とともに、回復量の期待値として照らし合わせると下記のとおりになる

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上記の回復量の期待を求めてみると

満タンの場合=11.80%

満タンではない場合=17.89%

上記のような結果になる。

 

身代わりを置くために必要なHPは25%なので、平均的なHP消費量は

25-(11.01+16.7)/2=10.15%

 

つまり、身代わりを1回貼るのにHPを10.15%しか消費をしないのだ。

 

上記のことからバタフリーは身代わりを3回貼るために必要なHPは

10.15%✕3=30.45%

 

つまり、大体1/3程のHPが残っていれば『ちょうのまい』を2回積むことが期待値の計算上行うことができる。

手順②が成功するまでの確率及び期待値を求める

先程と同様②の行動をする際の場合分けを行った。

①眠り粉が外れて負け

②眠り粉を当てて相手が最速起きをする(1ターン眠り)

③眠り粉を当てて相手が最速起きして怯む(今回は計算がややこしくなるので割愛する)

④眠り粉を当てて相手が普通起きをする(2ターン眠り)

⑤眠り粉を当てて相手が普通起きして怯む

⑥眠り粉を当てて相手が最長眠りをする(3ターン眠り)

⑦眠り粉を当てて相手が最長眠りして怯む

この7パターンに分けられる。

上記のパターンを一つずつ計算をしていく

 

 

①眠り粉が外れて負け

100-97.5=2.5%

 

②眠り粉を当てて相手が最速起きをする

97.5✕35.7=34.81%

 

③眠り粉を当てて相手が普通起きをする(怯まない)

97.5✕35✕70=23.89%

 

③眠り粉を当てて相手が普通起きをする(怯む)

97.5✕35✕30=10.24%

 

④眠り粉を当てて相手が最長眠りをする(怯まない)

97.5✕29.3✕70=20.00%

 

④眠り粉を当てて相手が最長眠りをする(怯む)

97.5✕29.3✕30=8.57%

 

それぞれを期待値として算出をすると下記のようになる

 

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上記の計算式からバタフリーが眠り粉を一回打つごとに1.07回の行動ができることが計算される。

 

今回ポケモンを3回のエアスラッシュで3回倒す計算が必要になるので、

(3✕3)÷1.07=8.411...

という結果になる。

 

つまり、身代わりを9回貼らせるHPを残した時点で運が絡んで来ない限り、理論上の敗北が決定するということだ。

 

ただ、身代わりを9回貼るためのHPは具体的にどれくらい必要かと考えるにおいて、食べ残しでの回復量の期待値は重要だと考える。

そのため、回復量の期待値を算出した所下記のようになった。

 

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上記の期待値から計算をすると身代わりで減っていくHPは

25-21.39=3.61%

ということになる。

*4

つまり、9回分身代わりを貼るために必要なHPは

 

3.61%✕9回=32.49%

 

つまり、バタフリーの体力が対面した際に3/1以上残っている場合、3タテされることが期待値上では普通である。

ステルスロックが入っても3タテできるか計算する

今回のケースはステロが入った状態でポケモンを3タテされたということでかなりご立腹をされていた。

そのため、全体のケースを期待値上の計算でどれだけ僕の運が良かったのか考えていこうと思う。

 

 

バタフリーがバトル場に出る

→これだけでHPの50%を消費する(残HP50%)

 

バタフリーの行動①を行う

→HPの減り方としては(25%-17.89%)✕3=21.33%の消費となる(残HP28.67%)

 

③行動②を行う

→平均として必要なHPとしては32.49%、残っているHPとしては28.67%

 足りないHPとしては、32.49-28.67=3.82%

つまり、食べ残し0.5回分僕の運が良いと3タテすることができる。

 

もう少し簡単にイメージをすると、期待値より相手が1ターンだけ多く眠ってくれれば3タテが可能である。

 

ちなみに2体倒すだけであればステルスロックが入った状態でも期待値通り進めば倒すことができるだろう。

結果

結果として、バタフリーの眠り粉+身代わりにおける害悪戦術に対しては、

HPを5割以上残して対面をした場合、ギリギリ3タテされないラインまで追い詰められることがわかった。

ターン数が長引けば長引くほど相手の試行回数が増えるので、早めにバタフリーを処理することが懸命だろう。

害悪戦術に関しては、以前よりかなり対策が簡単になったかの様に感じる。

・ラムのみを持ったポケモンの後出し

・特性すり抜けでの物理技

・ロックブラストなどの連続技

・ダイサンダーやダイフェアリーのフィールド効果による無効化

・草タイプの選出

・特性『そうしょく』を持つポケモンの選出

少し考えただけでこれだけの対策が確認されている。

皆さんもバタフリーで3タテをされないように対策をすることをおすすめする。

 

そして、僕はこれからもバタフリーを使い続ける。

 

 

 

*1:※身代わりが残っている場合、『ちょうのまい』を選択する

*2:※身代わりが残っている場合、『眠り粉→エアスラッシュ』を選択する

*3:各種考慮しない条件

※ラムのみは考慮しない。

 

ダイマックス、各種フィールドは考慮しない

 

バタフリーが先制で動けることが前提である

 

※特性、『ふくがん』を込みで命中率は計算する

 

※確率は小数点第3位で四捨五入を行う(0は省略する)

 

※連続技は計算の対象外とする

 

※特性すり抜けは考慮しない

*4:体力が満タンな時点でほぼ敗北が確定するため、体力が減少した場合のみを記載